• 開発秘話

開発者ストーリー|研究開発部Tの苦悩と成長(三)

研究開発部Tの開発者としての変化

Tはその新たな経験で着実に成長していた。

それまでCFRPと言う素材が存在する事は知っていたものの、複合材に特化した開発は経験がなかった。
スーパーレジンのものづくり技術を直近で見て、そのCFRPの製造技術と樹脂製品の量産の違いに難しさを感じていたのだが、これまでの固定観念に捉われず柔軟な発想が必要だと判断し、CFRPと言う材料も初めて扱う事の難しさを受け入れ、新鮮な気持ちで案件に取り組むようになった。

この時がTの最初のマインドセットの変化だった。
それにはTを取り巻く環境もプラスになっていたのではないだろうか。

スーパーレジンの生産拠点は東京都稲城市の本社・坂浜工場と、神奈川県相模原市の津久井工場の2拠点にある。
Tが赴任したのは津久井工場だ。津久井工場は緑に囲まれた自然豊かな土地にある。
近くには津久井湖、城山ダム、牧場やキャンプ場などが有り、工場へ向かう道中はリゾート地へ向かっているような風景が続く。そんな風景は(株)I.S.Tの加美工場で勤務していた頃を思い出しある意味違和感は感じなかった。
仕事をする上ではとにかく集中出来る環境だ。
休憩中に工場の外に出ると周辺は緑に囲まれていて、業務の合間に森林浴ができるのだ。
夏の夜はカブトムシやクワガタが周辺の木や外灯に集まってくる。工場裏には小さな沢がありホタルも見ることが出来る。イノシシ、鹿、タヌキ、猿などの野生動物も、工場周辺は山に囲まれているので頻繁に目撃されている。

そんな環境にもすっかり馴染んだTだが、新たなチャレンジの機会が迫っていた。

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