開発事例概要

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分野 航空宇宙機器
製品 2軸ジンバル機構(ポインティング機構)
お客様のご要望 軌道上の人工衛星搭載ポインティング機構の課題を明らかにし、解決策を試作評価したい
研究開発のポイント 高機能素材の採用、光学・機構系の設計、FPC自社開発によるセンサーの大幅な軽量化、駆動性と信頼性の確保
開発成果 ポインティング機構の性能向上の鍵となる技術を開発し、システムインテグレーションへの取り組みに成功した

お客様のご要望

JAXAプロジェクトである「温室効果ガス観測技術衛星『いぶき』(GOSAT)」における、軌道上のポインティング機構部の課題を明らかにし、解決策を試作評価するための原理検証モデルの製作を求められました。

問題解決のポイント

新素材の採用と駆動制御技術の性能向上

当社の新素材を活用するとともに、軌道上での視野切り換え用のポインティング機構の問題を回避できる、大幅な軽量化を実現した2軸ジンバルミラー構造、光学・機構系の設計とそれを実現する高信頼性の駆動システムを開発しました。

1.素材技術

(1) CFRPの採用による構造体の軽量化極薄発泡コアとCFRPスキンのサンドイッチ構造の採用で、ヨーク部分の重量を従来の1/5にしました。
(2) Cesic®(Carbon-fiber Reinforced Silicon Carbide)の採用によるミラーの軽量化CFRPの樹脂部分をセラミックに置き換えることで、低熱膨張・軽量・高強度のCesic®製ミラー構造を作製しました。

2.駆動制御技術

(1) 駆動制御ソフトウエアの開発円滑な駆動を実現する駆動制御ソフトウエアを開発しました。
(2) フレキシブルプリント基板(FPC: Flexible Printed Circuits)の内製化と実装当社は樹脂及びCFRPのスペシャリストであり、材料、化学、電気に関する専門知識を持っております。最先端のポインティング機構のニーズを満たすために、高品質のFPCを自社で設計開発し、試作しました。
また、ケーブルラップメカニズム搭載用のFPCを内製し、実装しました。さらにケーブルラップメカニズムの開発により、ワイヤのスナップ作動によって発生するジッターを回避させ、回転機構の円滑な動作を保障しました。

開発成果

10年単位の気候変動を宇宙から観測する技術の開発

地球上のあらゆる地点の温室効果ガス濃度を観測したいスケールで観測し、10年単位の気候変動を宇宙から観測するための鍵となる技術を開発しました。
社内一貫体制による先端複合材料のご要望にお応えする事業に加え、その材料・技術を利用して新たな機能・性能を持つ機器を開発する「システムインテグレーション」への取り組みでも成果を上げています。
システムインテグレーションのパートナーとしても是非御利用下さい。

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