FRPについて

FRPとは

FRPの画像

FRPはFiber Reinforced Plasticの略で、「繊維強化プラスチック」という意味です。各種繊維素材を樹脂と複合化させた強化プラスチックをFRP(Fiber Reinforced Plastic)と呼びます。CFRPはFRPの一種です。

FRP(繊維強化プラスチック)の種類

CFRP 炭素繊維強化プラスチック
GFRP ガラス繊維強化プラスチック
AFRP アラミド繊維強化プラスチック
QFRP クォーツ(石英ガラス)繊維強化プラスチック

FRPにおける樹脂と
繊維の組み合わせ

FRPにおける樹脂と繊維の組み合わせ

強化繊維の物性と特徴

強化繊維 種類 密度
(g/cm3)
引張弾性率
(GPa)
引張強度
(MPa)
破断伸度
(%)
特徴
炭素繊維 PAN系 1.75-1.93 230-588 3,300-7,000 0.3-2.0 高強度。一方向材、織物、短繊維などの材料化で広範囲の用途
ピッチ系 1.65-2.21 300-935 1,100-3,900 0.3-2.0 超高弾性率。低弾性率PAN系とのハイブリッド利用が主
ガラス繊維 Eガラス 2.60 72-75 3,200-3,430 4.0-4.8 安価。電気絶縁性。電波透過性
アラミド
繊維
ケプラー49™ 1.45 112 3,000 2.4 軽量・高強度。難加工性。高吸湿
テクノーラ 1.39 70 3,000 4.4

熱硬化性樹脂の特性

樹脂 密度
(g/cm3)
硬化収縮率
(%)
硬化温度
(℃)
機械的
特性
耐熱性 難燃性 耐候性 耐酸性 耐アルカリ性 耐溶剤性 酸化性
エポキシ 1.18-1.23 1.0-3.0 60以上
シアネートエステル 1.17-1.37 0.1 180以上
ビスマレイミド 1.27-1.44 0.1-0.3 200以上 ×
フェノール 1.05-1.14 1.0-1.2 60以上 × × ×
ポリイミド 1.42-1.43 0.8 250以上

繊維強化プラスチック
(GFRP、CFRP)
と金属材料の物性比較

繊維強化プラスチック(CFRP、GFRP)は、金属代替材料として使用されることが多くあります。炭素繊維の種類や含有率を設定するだけでなく、繊維材料の複合組み合わせや繊維方向・位置(異方性)を生かすことにより金属では実現できない性能や特性を持つ従来にない素材とすることも可能です。

材料 密度(g/cm3) 引張弾性率
(GPa)
比弾性率
(106)
引張強度
(MPa)
比強度
(104)
線膨張係数
(10-6/℃)
GFRP Eガラス 一方向
(vf:60%)
1.90 35 1.9 900 4.8 8.0
ガラエポ
G-10
1.90 20 1.1 300 1.6 11.0
CFRP PAN
230GPa
3Kクロス材
(RC:44%)
1.47 60 4.2 650 4.5 3.0
PAN
230GPa
一方向
(RC:33%)
1.55 130 8.6 2400 15.8 0.4
12Kクロス材
(RC:40%)
1.50 58 3.9 900 6.1 3.0
PAN
294GPa
一方向
(RC:33%)
1.55 160 10.5 2800 18.4 0.3
PAN
377GPa
一方向
(RC:33%)
1.50 200 13.6 2200 15.0 0.1
ピッチ系
640GPa
一方向
(RC:33%)
1.60 300 19.1 1000 6.4 -0.8
ピッチ系
780GPa
一方向
(RC:32%)
1.65 360 22.3 1200 7.4 -1.0
ピッチ系
860GPa
一方向
(RC:32%)
1.70 400 24.0 1100 6.6 -1.2
ステンレス SUS304 7.90 200 2.6 590 0.8 18.0
炭素鋼 S45C 7.80 210 2.7 570 0.7 12.0
アルミニウム A5052 2.70 71 2.7 260 1.0 24.0
A7075 超々
ジュラルミン
2.80 72 2.7 570 2.1 24.0
チタン合金 6AI-4V α-β型 4.40 113 2.6 960 2.2 8.8

CFRPと金属材料の
熱膨張率・熱伝導率比較

CFRPと金属材料の熱膨張率・熱伝導率比較グラフ

CFRPの減衰振動特性

CFRPの減衰振動特性グラフ