開発事例概要

自動車外観部品の写真

分野 自動車
製品 自動車用カーボンエアロパーツ
お客様のご要望 カーボン柄の外観部品の美観を長期維持したい
研究開発のポイント 樹脂のカスタマイズによるCFRP用耐候性樹脂の開発
開発成果 要求仕様に合致した耐候性のカーボンエアロパーツの開発に成功

お客様のご要望

カーボンエアロパーツは、短期的な使用を前提とするカーレースの世界では広く使用されていますが、自家用車向けの純正パーツとしては、長期間の使用が前提となるため、太陽光による色味の劣化がないことが求められます。
色味の劣化のない、カーボン柄の外観部品の美観を長期間維持できる素材が要求されました。

問題解決のポイント

樹脂のカスタマイズによる耐候性樹脂の開発

太陽光によるパーツの劣化プロセスを解析し、それに対応する機能をもった光安定剤を樹脂に添加しました。

紫外線吸収機能の追加

紫外線が樹脂を攻撃する前に紫外線を吸収し、光エネルギーを熱に変換させる

ラジカル捕捉機能の追加

光を吸収した後の化学反応を抑えて、間接的に光劣化を抑制する

開発成果

要求仕様に合致した耐候性のカーボンエアロパーツの開発に成功しました。
当社では、CFRPの強度・剛性設計のみならず、用途に応じた樹脂のカスタマイズにより、お客様の要望実現に向けて、⼀貫した開発を進めてまいります。

耐候性の向上

色差(ΔE)とは:
「色ずれ」の程度(色差)を数値化したもの。「ΔE」は、L*a*b*系(ICE1976)に従って評価することができる。
(L:明度;a:色調;b:彩度)
色差(ΔE)は、数値が低ければ低い⽅が耐候性に優れている

自動車外観部品の写真

色差の⽐較

  • 硬X線検出器の写真

    1. 標準的なエポキシ樹脂(紫外線を6時間照射後)
    表面が⻩色く変色し、色差⊿ E=2.1

  • 衛星組み立て用クリーンルームの写真

    2. 当社が開発した対候性樹脂(紫外線を6時間照射後)
    ほとんど変色は⾒られず、色差⊿ E=1.3

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